プリウスのLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)

プリウスは有害物質の排出量軽減という観点では、確かに走行中の有害物質の排出は少ない。しかし、バッテリーやインバーター素子を含むハイブリッドシステムの部品の製造と廃棄に伴う有害物質の排出量は、ハイブリッドシステムを搭載しない車両よりも明らかに多いものとなる。

このため、車両のライフサイクル全体における有害物質排出量の総合では、従来のガソリン車との比較という形で謳われているほど軽減されていないという指摘がある。

トヨタはLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)を計測し、「旧型のガソリン車」よりも、10年10万km走行時の環境負荷を抑えているとコメントしている。しかし、このコメントにおいてはハイブリッドシステム関連の部品が計測対象に含まれていない模様で、第三者による検証が待たれる。

このLCAの視点は重要である。プリウスはいい点ばかりが強調されすぎだ。「プリウス購入前にプリウスオーナーが伝えるプリウスの弱点」は、プリウスの光と影をプリウスのオーナーが淡々と綴っており、興味深い。